接遇マナー5原則とは?医療事務に必要な接遇について解説

2023/09/15  2024/01/19
医療事務

医療機関においては、どの職種においても接遇が重要視されています。医療現場の接遇とはいったいどのようなものなのでしょうか。本記事では、医療現場で必要とされる接遇マナー5原則をはじめ、接遇の重要性を解説します。ぜひ最後までお読みいただき、実際に医療現場に従事する前に接遇の重要性を知っておくことをおすすめします。

接遇の意味とは?

接遇は、接客の延長線上にあります。とくに医療における医療接遇は、患者さんの不安や痛みなど、負の心情を対等な立場で理解し寄り添うことを指します。患者さんへの接し方となると接客と似ているような気がしますが、意味合いが異なります。

接客マナーでは相手に最高のおもてなしをするために敬語、背筋を伸ばす、お辞儀の角度などがマニュアル化されている場合があります。一方、医療接遇では厳密なものが求められてはいませんが、患者さんに緊張感や威圧感、不安を与えない配慮が必要です。

さらに身だしなみに関しては、清潔感だけではなく、医療現場ならではの安全性やリスクマネジメントへの考慮が必要です。接遇には、接客と似ていますが、質のよい医療を提供するためのマナーとして、目的に違いがあることを理解しておきましょう。

医療事務における「接遇」の重要性

医療事務のうち、クラーク業務と会計や受付においては、患者さんとの接点があるため対患者さんの接遇は重要なうえ、レセプト業務においては対スタッフとの接遇がとくに重要視されます。ここでは、なぜ医療事務において接遇が重要なのか、大きく3つに分けて解説します。

患者さんが心置きなく診療を受けられる

医療機関に足を運ぶとき、患者さんは常に不安を抱えています。この不安をできるだけ軽減するための対応として接遇が重要視されています。来院したら診察受付をしますが、はじめに対応するスタッフの印象で病院の印象が決まるといっても過言ではありません。

入院の場合、クラークが患者さん本人や家族と対応する場面が多くあります。その時に、不安に寄り添った態度や声のかけ方をすることで、患者さんやその家族は心置きなく診療を受けられます。また外来診察の場合、待ち時間が長くなると、患者さんからクレームが入ることもあるかもしれません。

しかし、患者さんが不安や辛さによって早く診察してほしい思いがあることを理解し、寄り添って対応すれば、診察待ちにも応じてくれるようになります。

働きやすい医療機関になる

患者さんの思いに寄り添うことは接遇の基本ですが、すべての要求に従う必要はありません。医師や看護師などの、たくさんのコメディカルスタッフがコミュニケーションを取り、協働して情報共有することで、患者さんに最適な医療を提供することも接遇のひとつです。

医療事務において患者さんの思いを耳にしたら、ほかの医療スタッフと共有しましょう。

医療従事者が患者さんとの関係性をしっかり構築し、ほかの職種と連携が取れていると、効率よく治療の方向性を見出せる可能性が高くなり、医療者のストレスも軽減され働きやすい医療機関になれるように取り組むことができます。

医療安全とリスク回避が可能となる

接遇が根付くことによって、医療機関の組織力向上が期待できます。スタッフ間の日ごろの接遇やコミュニケーションを心がけることによって、ヒヤリハットやインシデントを予防できます。

医療事務の立場では、算定不備や同意書の未取得などで気づくことがあれば、ほかの職種と連携することでミスを防げるかもしれません。対患者さんだけではなくスタッフ間の接遇も・安全で質のよい医療を提供するために重要だといえます。

接遇マナー5原則で病院の印象UP

医療において接遇マナーの5原則が重要なポイントです。ここでは、その5つを解説します。

挨拶

挨拶は接遇だけではありませんが、人と関わるなかで重要な役割があります。明るい表情と声を意識して挨拶すると、患者さんはできます。患者さんに合わせて、目の高さを合わせるなど、威圧感や不安を与えない工夫も必要です。

身だしなみ

患者さんやその家族は、身だしなみを第一印象として捉えます。服装に清潔感があるか、長い髪はしっかり束ねているか、派手なメイクやネイルをしていないか、きつい香水をつけていないかなどが主なチェック項目です。スタッフの身だしなみに不快を感じると、患者さんも家族も不安や不信が大きくなってしまいます。

上記で挙げた項目以外にも、清潔感のある身だしなみのチェック項目をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

【髪型】 ・長い髪の場合しっかりと束ねているか
・落ち着きがあるヘアーカラーか・表情が隠れない髪型か
など
【服装】 ・服装に清潔感があるか
・サイズは合っているか
・シワやシミ、ほつれなどがないか
・靴のかかとを踏まない
・滑りにくい靴かなど
【メイク】 ・清潔感があるメイクか(ナチュラルメイクなどの派手過ぎないメイクが◎)
【エチケット】 ・爪は短く処理しているか
・香水の匂いはきつくないか
・ネイルはしていないか
など

表情・態度

表情や態度は接遇でもとくに重要であり、マスク生活のなかでも、常に医療現場では表情・態度を重要視されています。患者さんの不安に寄り添うための柔らかな表情や、ときには不安な気持ちに寄り添う表情を意識して対応するとよいでしょう。温かい表情によって、患者さんの不安は軽減されるようになります。

言葉づかい

専門用語を並べたわかりにくい説明を避け、上から目線の言葉づかいにならないよう注意が必要です。また、患者さんの尊厳を損なわないよう、敬語の使い分けと節度を保つ言葉づかいが重要です。

傾聴する姿勢

患者さんの立場に寄り添って、その思いに共感しながらしっかり耳を傾けることを傾聴といいます。体調面での不安を抱えている患者さんの心を解きほぐすのが、医療接遇を大切にするうえで欠かせません。

自身の気持ちに寄り添ってくれるスタッフには心を開き、信頼が生まれます。信頼関係があると、よりよい医療を提案できる可能性が広がります。

やめたほうが良い患者対応

相手に安心感を与える対応があるなら、相手に不安感を与える対応もあります。より患者さんに安心感を与える対応ができるように、やめた方が良い患者対応について知っていきましょう。

否定をする言葉を使わない

「ですから」「だから」といった接続詞は、相手との会話の中で使う場合、否定的な言葉に捉えられます。患者さんの気を悪くすることはもちろん、相手に不安を与える言葉使いです。

傾聴する姿勢と合わせて、「会話を否定する言葉を使わない」ことを心がけましょう。

横柄な態度に気を付ける

患者さんの言葉を無視したり、威圧的などの横柄な態度をしてはいけません。月末と月初はレセプト請求などの業務が立て込み、患者さんの1人1人の声に向き合えるほどの余力はないかもしれません。

しかし、横柄な態度ひとつで患者さんを不安にさせる原因になります。余計な争いの火種を産む結果になるので、忙しくても「笑顔で誠意をもって接する」姿勢は失くさないようにしましょう。

ビジネスマナーにも気を付ける

対面の接客対応をしているとおろそかになりがちですが、電話の出方にも気を付けましょう。

例えばよくある「もしもし」といった電話口の挨拶は、元々は「申す申す」を略したものになります。目上の人に「申す申す」というのは失礼と考えられるのです。

ですので、電話を取るときは「お待たせしました」などと声をかけましょう。

まとめ

医療機関にかかる患者さんは、体調面において何かしらの苦痛や不安を感じているものです。来院した時のスタッフの対応ひとつで、治療を受ける意欲を上げることが可能です。一人でも多くの患者さんの不安を軽減し、よりよい医療を受けてもらうためには医療接遇の原則を意識することが重要です。

医療現場におけるスタッフは、患者さんからすればどの職種でも「病院の顔」であることを心に留めて、接遇を意識した対応に努めるとよいでしょう。

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