
医療事務は、病院や診療所といった医療機関で医師や看護師、患者のサポートをする事務職です。全国で370万人ほどが医療事務に携わっています。医療事務につくと、どの程度の収入が得られ、どういった福利厚生を受けられるのでしょうか。今回は医療事務の内容や収入、福利厚生、医療事務員の労働時間などについて紹介していきます。
医療事務はどんな仕事か
医療事務の仕事の内容は以下のとおりです。
・診療報酬を請求するための書類作成
・窓口業務
・外来患者の受付
・医療費の請求
・入退院の手続き
具体的には、診療が済んだ患者のカルテを確認し、資料内容や検査結果、服用する薬の量などをコンピュータに入力することで点数化し、患者の自己負担額を算出します。
保険診療においては、疾患に対応した治療、投薬、療養の基準に基づき診療報酬請求明細書(レセプト)を作成・チェックします。これらの業務を行うため、電子カルテやレセプトを作成するレセコン、医療事務システム、パソコンなどを使用します。
就職するには、特別な学歴や経験は必要とされません。ただ、専門学校などで医療事務に関する勉強をしている方が、業務に慣れやすいといえます。
また、ハローワークの求人データを見ると全国平均の有効求人倍率は0.26倍です。有効求人倍率は、求職者1人に対して何件の求人があるかを示した数字です。0.26倍ということは、1つの枠に4人の求職者がいることを意味しますので、就職しにくい業種だといえます。
医療事務の収入は月26万ほど
医療事務の平均年収は、もとにするデータによって異なります。たとえば、国税庁の「民間給与実態統計調査結果」では、平均年収が308万円で月給に換算すると26万円とされます。初任給の相場は20万円程度で、アルバイト・パートの平均時給は1,023円でした。
一方、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」をもとにすると、年収の平均は439.7万円、月給換算で36万円余となります。ただ、同じ調査の所得内給与額別の人数割合をみると、最も割合が多いのは月額20万円前後でした。また、ハローワークの求人統計データを見ると、求人賃金の全国月額平均は20.2万円です。
以上のことを踏まえると、年収240万円前後が医療事務の給与の基本といえます。これに学歴や経験年数、職場の状況などを加味することで医療事務の給与実態が見えてきます。一般的には、大学病院や総合病院など規模が大きい医療機関ほど給与が高く、個人経営のクリニックなどでは比較的低めになります。
また、地域でいえば、北海道や中国・四国、九州などは比較的年収が低く、首都圏や東海地方、関西地方など人口が多い大都市圏では給与が高めになります。
医療事務の福利厚生は?
福利厚生とは、企業が従業員やその家族に提供する給与や賞与以外の報酬・サービスのことです。福利厚生を充実させることで、企業は採用面で他社との差別化を図れるため、優秀な人材を確保しやすくなります。従業員の側から見ても、福利厚生が充実していれば、満足度やモチベーションの向上につながるため、働きやすいというメリットがあります。
福利厚生には法定福利厚生と法定外福利厚生があります。法定福利厚生とは社会保険にあたるものです。具体的には雇用保険や介護保険、労災保険、厚生年金保険などが該当します。一方、法定外福利厚生とは、企業が独自に設定する福利厚生のことです。社宅や寮、家賃補助、住宅ローン補助といった住宅手当や昼食代を出す食事補助などがあります。
医療事務の福利厚生には、法定福利が完備しているのは当然のこととして、業務で活用できる資格を取得した従業員に支給する資格手当、産前産後休暇、育児休暇、通勤手当などがあります。とはいっても、法定外福利厚生は医療機関ごとに異なっています。就職する前に、しっかりと調べておくとよいでしょう。
医療事務の労働時間はどれくらい?
医療事務の基本的な勤務時間は、一般的な企業と同じで1日8時間です。始業時間は医療機関ごとで異なります。時期によって残業が増えることがあります。
レセプトの作成時期は残業が増えます。その理由は、レセプトを審査支払機関に提出する期限が設定されているからです。入力したレセプトに誤りがないか、診療報酬請求前に確認しなければなりません。そのため、月初から10日くらいまでは、通常業務とレセプト業務が並行となり、残業が増える可能性があります。
また、季節性インフルエンザの流行時期や花粉症の時期といった、医療機関ごとの繁忙期にも残業が増えます。
まとめ
今回は医療事務の収入や福利厚生についてまとめました。医療事務は一般的な事務職と比べると、特殊な内容が多く、業務の幅が広いという特徴があります。平均的な月収は26万円とされていますが、もっとも割合が高いのが月収20万円前後であることから、年収は240万円前後となります。年収は保有している資格や努めている医療機関の規模によって異なります。
福利厚生についてみれば、法的に定められた社会保険を完備している勤務先が多く、それ以外は医療機関の規模や状況によって異なるようです。給与や福利厚生については、求人票でしっかりと確認し、不明点について質問するとよいでしょう。